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2013年1月30日水曜日

本日7/5、東大にも訴えました!東大名誉教授、国連大学名誉副学長、安井至のウソ

*ちなみに東大名誉教授、安井至氏は、大阪の子供を福島の桃食べ放題に連れて行こうとしたが、大阪住民の猛反対で、実現し損ねた、「福島ステークホールダー調整協議会」の委員長です。

http://togetter.com/li/316129




本日(2013年7月5日)、東京大学の総務課の方にもお電話をし、以下の2つの内容を大学のほうに伝えてほしいとお願いしましたところ、東大の生産技術研究所の総務課に伝えてくださることになりました。

1.福島の小児甲状腺がんが27人にもなった今、安井先生の言われる放射線のリスク論は学問的に誤っているのではないですか?権威ある大学の名誉教授がこのような安全論を振りまき、住民が知らずに被曝により健康被害が助長されたら、まず住民の方々への被害は計り知れず、そして先生にも将来不都合になるのではないですか?

2.1番目の問題に比べれば大したことではないのですが、以下の説明のように、安井先生のブログで広島原爆医師の肥田舜太郎先生と竹野内真理への誹謗中傷めいた記述がありますが、学問的に間違っていると思います。こちらにご対処いただきたいです。
特に、東大と国連大学の関係者にはこのことを知ってほしいです。そしてそこに通われている学生さん、または卒業生は、皆様の名誉のためにも学校側になんとかいうべきではないでしょうか。

科学や学問は、嘘をついてはならないものです。政治に左右され、学問的な嘘をついている先生は、たとえ名誉教授であっても、いえ、名誉教授であるがゆえ、厳しく追及されるべきです。

特に、今、安井至氏や、前の投稿に出てくる、東大医科学研究所の上昌広教授、坪倉正治医師、東大病院放射線科の中川恵一準教授のような、輝かしい肩書でありながら、根拠なく放射能安全論を語る学者らにより、福島をはじめとする汚染地帯の子供たち、及び未来世代の命と健康が危機にさらされているのです。

残念な事に、大人で地位や職を得た人には、動きが取れない・取らない人が多いです。(本当はそうすべきなのですが。。。)

学生の皆さま、どうぞよろしくお願いします。放射能安全論を吹聴する学者先生を追及し、汚染地帯の子供たちを救いましょう!
竹野内真理(ジャーナリスト、翻訳家)
「人間と環境への低レベル放射能の脅威」と「低線量内部被曝の脅威」を
広島被曝医師の肥田舜太郎氏と共訳
「原発閉鎖が子供を救う」(Sr90について)長崎大戸田清教授と共訳
「内部被曝」肥田舜太郎著ー解説執筆





東大名誉教授、安井至氏のウソ その1


最近非常に頭にくることがありました。肥田舜太郎著『内部被曝』(扶桑社新書、2012)という本が結構今売れているのですが、私もあとがきを書かせてもらいました。そうしましたら、安井至という東大名誉教授、元国連大学副学長が、「市民のための環境学ガイド」などと言う、一見もっともらしいタイトルのコラムの中で、とんでもない誹謗中傷をネット上で繰り広げているのです。http://www.yasuienv.net/IntExpHida.htm

本当におかしな論点がそこらに散見されるのですが、代表的なものを見ていこうと思います。まず、安井至氏は本人は医師でもなく、すなわち被ばく者など一人も診たことがないのに、「子どもたちに初期の被曝症状が出ている」という記述に対し、「原因を内部被曝のためであると根拠もなく憶測している。下痢、喉が痛いなどであれば、感染症を疑うのがまず医者というものでしょう」と、根拠もなく、感染症を疑えと言っている。これ自体がひどく非科学的で傲慢な態度と言えます。

私に対しても、ひどい勘違いをしつつ、名誉棄損に当たるとも思われる失礼なことを言っています。

「先に述べた心身症に関してだが、不幸の見本とも言えそうなことが、この本の最後に掲載されている竹野内真理さんの悲劇ではないだろうか。2歳児の母である竹野内さんが、この程度の放射線なら全く問題はない、という信念を持っていたら、そしてわざわざ沖縄まで避難するようなこともしなければ、お子さんはこのような状況にならなかったのではないだろうか。この本にも出てくるゴードン・マクロード(後述します)の真意を著者が理解していれば、こんなことにはならかったのではないか。」

他人の家庭事情も知らないままの断定的な言い方に、暇があれば、名誉棄損で訴えたいくらいに思っています。また、非常に非科学的であり、本当にこの人は東大名誉教授なのだろうかとあきれました。

さて、安井氏について最も驚きあきれているのが、安井氏がわざわざ英語の誤訳までしながら、嘘をついていることです。

上記に出てくるゴードン・マクロード氏は、アメリカのスリーマイル島原発事故当時、ペンシルベニア州保健局長であり、事故後に正直に新生児死亡率が増加していることを発表し、保健局長を解雇された人物です。私は以前からスターングラスの著作を熟読していたので、このエピソードを知っていました。

なので、安井氏が「ゴードン氏の真意を著者が理解すれば、」と言っている部分は非常に不可思議に思えました。

それで安井氏の批判文章の中にある英語論文を入手してみましたところ、腰を抜かすほど驚きました。安井氏の都合のよい解釈(つまり新生児の死亡率が増えていないという原発推進側に益する解釈)とは、まったくその逆が書かれているのです!

安井氏はなんと、英文の解釈をわざと間違え、その間違えた部分を抽出し、マクロード氏の唱えている新生児死亡率の増加と180度逆のことを言って、原発事故後に死亡率が増加していないと言っているのです。本当に驚きました。英語の翻訳者である私に、このような形で勝負に出てくるとは、いい度胸しているなあ、と思います。はっきりいって、かなりドジな人物ともいえます。

 以下に翻訳をいかに安井氏が(故意に)間違えるという、学問的な罪を犯しているか、記述させていただきます。

まずは、竹野内バージョンの訳です→1979年3月の事故以前の1978年の第一4半期(13月)と第二四半期(46月)には、スリーマイル島の半径10マイル以内で、1000の出生に対して、新生児の死亡が8.6と7.6であった。事故をのちに起こした2号炉が稼働した1979年の最初の4半期では、これが17.2に上昇した。そして328日の事故後の四半期での死亡率は19.3に上昇した。そして、同年の後半の四半期では、7.8と9.3になった。ちなみに、1979年における全体の新生児死亡率は、1978年が10.8、1979年が9.8であった。


(安井氏による誤訳バージョン)事故以前の1978年の最初の4半期には、スリーマイル島の半径10マイル以内で、1000の出生に対して、新生児の死亡が8.6と7.6であった。1979年の最初の4半期では、これが17.2に上昇した。そして、事故は1979年3月28日に起きた。次の四半期での死亡率は19.3であった。そして、同年の後半の四半期では、7.8と9.3になった。ちなみに、1979年における米国全体の新生児死亡率は、1978年が10.8、1979年が9.8であった。


重大な翻訳ミスにお気づきでしょうか。安井氏は故意に翻訳を操作することによって、大事な点をわざと曲解しています。ひとつは、そもそもスリーマイル島半径16km圏内の新生児死亡率は、2号炉の稼働時からすでに二倍にも上昇しているのです!つまり事故以前の原子炉の稼働だけで急上昇しているのです。そして事故後46月もさらに上昇して17.2となっています。同年の後半の四半期では、下がっているが、ここでだまされてはならないことがあります。7から9月の夏は、概して死亡率というのは下がるのです。

ちなみにさらにペンシルベニア州保健局のデータを見ますと、事故前年の79月の死亡率はわずか1%しかなく、それが8倍近くの7.8%となっているのは重大です。
米国全体の平均値での、新生児死亡率が前年に比べて下がる中、ペンシルベニア州の新生児死亡率は、スリーマイルの事故の年、少なくとも2倍以上に増えているのです!

さらに、次の段落を見てみます。私は次の段落を見て、あっけにとられてしまいました。安井氏は巧みな翻訳ミスをすることにより、論文の言っている内容とは正反対の結論を導き出しているのです!


以下竹野内翻訳バージョンです。


→何週間にも及んだ緊迫した原発危機は、住民の間での睡眠薬使用率の113%もの増加、精神安定剤(トランキライザー)の使用の88%の増加、普段よりもアルコール摂取量が増えた人が14%増加、普段よりも煙草を吸う人が32%増加したという数値に表れている。しかし、これらの薬や酒タバコによる副作用は、この事故での精神的ストレスによる、住民たちの健康への悪影響全体からみれば、ごく一部に過ぎないだろう。


最近の発見であるが、スリーマイル島の初期の除染・清掃プロセス中に発見されたマウスやラットあるいはウサギの糞にごく微量の放射性物質の汚染は、無視すべきでない、悪い結末の前兆かもしれない。このような汚染が人に生じたとしたら、保健省は、低線量被曝がヒトに与える身体的かつ精神的な影響を長期的かつ継続的に評価するすべを持たねばなるまい

 

(安井氏による誤訳バージョン)原発による差し迫った危機を反映しているのだろうが、睡眠薬を使用した住民が113%も増加、精神安定剤(トランキライザー)の使用は88%も増加した。一方、14%の人々は普段よりも大量のお酒をのみ、32%の人々はより多くのタバコを吸った。しかし、これらの薬や酒タバコによる副作用は、この事故での精神的ストレスによる公衆衛生上の悪い影響全体からみれば、ごく一部に過ぎないだろう。


 最近の発見(1982年?)であるが、スリーマイル島の除染・清掃プロセス中に分かったマウスやラットあるいはウサギの糞に含まれている放射性物質の量が非常に低かったという事実は、無視すべきでない神のお告げのようなものだろう。このような状況がヒトについて起きたとしたら、低線量被曝がヒトに与える影響を長期的に検討するときには、放射線による物理的な影響だけでなく、精神的な影響も同時に定量的に検討すべきであろう。




安井氏は重大な翻訳ミスがわかりますか。ゴードンは小動物の糞に微量の放射性物質が、すでに初期においてみつかっていることを懸念し、人の糞尿にも同じような放射能汚染が見つかった場合は、低線量被ばくの影響をきちんと検討しなければならないと言っています。ところが、安井氏は、あろうことか、「ウサギの糞に含まれている放射性物質の量が非常に低かったという事実は、無視すべきでない(原発推進派にとってはありがたい)神のお告げのようなものだろう。」と、まったく反対のことを述べているのです!

これは科学詐欺と言えるのではないでしょうか。


そして、医師であり、公衆衛生学者でもある公正な科学的良心を持ったゴードンは、身体的な影響も長期的に評価せねばならないと言っているのに、安井氏は、多くの御用学者が使う常とう手段で、精神的なものだけに焦点を当てて結論としているのです!


福島やその他の汚染地域では、すでに尿中のセシウムが検出されています。ゴードン氏の観点からすると、本当に注意すべきことであり、行政が継続して健康評価をしなければならない事象であり、悪い結末の予兆であるのです。
安井さん、上記の翻訳で「神のお告げのようなもの」は、ひどいでしょう!?自分で書いていて、恥ずかしくないのですか???


実はゴードン氏がスリーマイル島で、新生児死亡率が増えたことを言っていたことは、私は安井氏がここで嫌がらせをしてくる前から知っていました。というのは、米国で最初に、核実験により乳児が死んでいることを研究発表したピッツバーグ大学名誉教授スターングラス博士の『赤ん坊をおそう放射能』を私は熟読していたからです。

Ernest Sternglass博士の上記のオリジナルの英文テキストは、博士が全文をネット上で公開してくださっており、だれでも読むことができます!(ぜひ、英語が読める方は皆さん、読んでください。世紀の秀作です。)https://ratical.org/radiation/SecretFallout/

科学者としての立場を貫き、生データが十分出ていないと当局を批判したゴードン氏は、その後ペンシルベニア州知事から解雇されています!
(ゴードン氏は社会的正義を貫いた科学者なのです。)

この本の詳細でち密なデータと内容、そして原子力推進側がマスコミや御用学者、政治家と一緒になり、いかに独立系の科学者の発表を邪魔しようとしたかが逐一詳細に報告されています。今でも全く同じことが行われており、大変参考になります。

スリーマイル原発事故の被害を本当に知りたい人はこの本を読むべきだと私は思っています。ノーベル医学賞受賞のGeorge Wald氏も、この本の巻頭に推薦文を書いている名著です。

安井至氏のウソ その2


もうひとつのまやかしはバンダジェフスキー博士の研究に対しての反論です。ゴメリ医科大学の学長を務め、チェルノブイリの患者の臨床や解剖まで行ってセシウムの人体内での毒性を突き止めた博士は、今最も注目されている学者です。博士によるとセシウムは臓器ごとに濃縮して蓄積し、10~20Bq・kgの濃度に達すると代謝の少ない心臓は異変を起こすことを発見しました。

このバンダジェフスキー教授の、重大な発見に対し、安井氏は次のような驚くべき非科学的な言葉で反論しようとしています。

「カリウムはバナナには多く含まれているが、誰もバナナを食べ過ぎると心筋梗塞になるとは言わない。」

本当にこの人は、放射性物質について、何も知らないのだなあと思います。

米国ブルックリン研究所の研究員でもあった、低線量放射線の専門家、市川定夫先生も述べていますが、天然放射性物質と人工放射性物質には決定的な違いがあります。それは、天然の放射性物質は特定の臓器に濃縮・蓄積せず、人体に入るスピードと出るスピードが同じであるという事実です。カリウム40はそういうわけで、人体に4000Bq存在していても、均質に疎に散らばっていて、どこかで悪さをすることがないのです。

そしてそもそも、カリウム40の毒性自体、セシウムに比べて比べにならないほど小さいのです。安井氏が何度も引用している原子力資料情報室の市民年鑑にありました年鑑摂取限度を記します。カリウム4016グラムまでOK、それに比べ、セシウム137は320万分の10グラムです。毒の強さがけた違いに違うのです。全く違う物質であるカリウム40を持ち出して、セシウム137の人体内での各臓器における毒性について書かれたバンダジェフスキー博士のち密な論文を論破しようとは、小学生以下のレベルのごまかしだと思います。

安井氏はこれらのような大きな嘘と同時にすぐばれるこまごまとした嘘もついています。

まず、肥田先生の『死に過ぎた赤ん坊』は英語の原書がないのでは?と言っているが、これはスターングラス博士が1972年に書いた『Low Level Radiation』という本があります。きちんと調べてから発言して欲しいですね。

また、このお方は、たまげたことに肥田先生と私の『人間と環境への低レベル放射能の脅威』の翻訳本を、またまた見当違いな言いがかりをつけていました。

ドイツ語の原書が『ぺトカウ効果と我らの輝ける未来Der Petkau-Effekt und unsere strahlende Zukunft』であると。
嘘をつけ!です。私はドイツ語の原書も持っていますが、タイトルは、『ぺトカウ効果 人間の健康と環境に対する放射線の破壊的影響Der Petkau-Effekt Katastrophale Folgen niedriger Radioaktivitat Tatsachen und Befurchtungen 』です。

いったいどこが、『我らの輝ける未来』なのでしょう!

また、『人間と環境への~』の本のタイトルの邦訳が違うというのですが、翻訳本の慣行として、本のタイトルは忠実に訳さなくてよいことになっているし、論文などでない限り、本では忠実に訳していないものの方が多いです。まったくその辺の常識がない方なのだなあと思いました。

ついでにアマゾンでこの本は6人が星5つという高得点をつけ、まあまあ好評です。http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4871541002/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1(私は個人的に後世に残る名著だと思っています。値段等の関係で部数はたいした事言っていなくて残念ですが。)

ところが出版早々、科学用語だけ書き連ね、実はまったく本の内容を理解していない批判をする星ひとつをつけている「突風とんぼ」というニックネームの人物が出ました。他のまともな低線量被ばくの問題の本にも、でたらめの難癖をつける人物です。

当時は彼だけが星一つ付けていたのですが、このことを安井氏は「ほぼ反原発グループに属する人々で、ひとりだけまともな読者がいるという感じである。」と主張。

しかし安井氏のいう「まともな読者」=「突風とんぼ」は上記の本の内容を理解せず、中心的な論点として既に書いてあることを「触れていない」として、批判しているのです。(突風トンボと私のやり取りはコメント欄にありますが、時間の無駄なので、途中でやめました。)

どうやら、安井氏とこのアマゾン上での批判者、「突風とんぼ」は、結託していると思いました。

その他にも、既に2011年8月くらいには、経産省から既に放出が認められているにもかかわらず、「福島事故でウランとプルトニウムは外部に出ていないと考えてよい」だとか、政府の発表もとっくにあったのに、いまだに事故を過小評価させようとする嘘をついています。
「えええ!?東大名誉教授とかいう方が、こんなにすぐばれる嘘を書いていいのだろうか」

と、あまりに低レベルなので、こちらが恥ずかしくなっています。。。

長くなるので、この紙面はもうこれ以上はさけられませんが、どうか、東大と国連大学の関係者にはこのことを知ってほしいです。そしてそこに通われている学生さん、または卒業生は、皆様の名誉のためにも学校側になんとかいうべきではないでしょうか。科学だとか学問だとかは、嘘をついてはならないものです。政治に左右され、学問的な嘘をついている学者は猛省して欲しいと思っています。

4 件のコメント:

  1. 安井先生に直接会ったて話をされたらどうでしょうか?誤解の多くが解けると思います(私は、先生の研究室に少しお世話になりましたが、ちょっと自慢げに話すことはあるとしても、決して嘘をつくような人ではありません。英訳に関しては、たぶん単純に間違えたのでは?)。

    あなたが書かれていることのいくつかは、先生の立場に立って反論できますが・・・ たぶん聞いてもらえないでしょうね。

    私の妻とおんなじようなことを言っていますが、数年たてばどちらが正しいかははっきりします。もし、あなたの主張がまちがっていたらどうするかを考えていた方がよいと思います。

    あと、肥田先生とあなたとの共著は読ませていただきました。内容的にまったく疑問を感じませんでした。良書だと思います。が、原爆と今回の被ばくはメインの核種が違うことをよくよくご検討ください。(つまり演繹はできないということです。)

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  2. 先生の立場に立って反論できる???実際に具体的に反論してから言ってみてください。

    それとあなた、本当に私とまじめな議論がしたいのなら、ご自身の名前と所属を名乗ってください。

    聞いてあげますよ。聞いてもらえないでしょうねといって、具体的なことを言わずに逃げるつもりですか?おかしいですよ。(多分、きちんとした論点を持たないのでしょう。)

    それと原爆と今回の被曝では、桁違いに被曝量が多いということ、よくよくお考えください。

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  3. 安井至氏などの科学者はICRPやUNSCEARなどの国際機関を疑いません。
    それこそが正しいと思っていて、そこがスタートなので間違いに気付かないのです。

    何よりも一線級の若い原子力科学者たちは、自分も将来は権威と呼ばれたいために、
    国際機関などの権威をけがすことを嫌います。
    動機は医師も同じですよ。

    一方、ただの市民は権威もくそもない。ただ真実を追求するのみ。
    どちらがバイアスに影響されるか、少し考えれば分かります。

    そもそもNCRPやICRPの第二委員会について、
    科学者や医師がどこまで知っていることやら。

    以下の歴史的考察についてもチンプンカンプンだと思いますよ。

    <『放射線被曝の歴史』中川 保雄(著)(1991年)より>
    http://1am.sakura.ne.jp/His/History-RadiationExposure05-77.pdf
    (P77より転載開始)
    【国連科学委員会】
    そのICRPの方針転換に大きな影響をおよぼしたものは、一九五八年勧告にも明記されたが、一九五五年の原子力平和利用会議であった。 この会議は、 アメリカのアイゼンハワー大統領が 一九五三年末に国連で行った例の 「原子力の平和利用」 演説が契機となって開催された。 世界に広がった原子力開発への関心の高まりが、その会議の開催に結びついたとするなら、 アメリカのビキニ核実験によ って世界的に高まった死の灰へ の不安は、 国連の下に 「原子放射線の影響に関する科学委員会 (UNSCEAR)」 を誕生させた。 互いに対立する契機から生まれた二つ(ICRPとUNSCEAR)の組織ではあったが、 国連科学委員会は、本質的には、「原子力の平和利用」をスムーズに進めるためのものでしかなかった。
    そのためにアメリカは、この両組織で主導権を握るためにあらゆる手を使った。

    原子放射線の影響に関する国連科学委員会は、名称こそ科学委員会とされているが、 科学分野ではなく国家の代表から構成された。 アメリカが強い反対を押し切ってそのようにしたが、その大きなねらいは、 人類的影響を問題にする遺伝学者を排除して、 国家的利益を全面に押したてた議論へと持ち込むことにあった。もちろんアメリカの代表団に遺伝学者は 一 人も選ばれなかった。 ビキニ後の放射線問題の行方を決める識論が展開されたこの時期、 アメリカ原子力委員会は、遺伝学者の声を可能な限り封じ込めようとしていた。 そのよい例がつぎのような事件であった。

    アメリカを代表する遺伝学者のマラーは、すでにNCRP(米国放射線防護審議会)の許容線量の委員会メ ンパ ーとしてNCRPよりの姿勢を強めていた。 そのマラーが一九五五年の国連の原子力平和利用会議で、 放射線の遺伝的影響について報告しようとした。そのことを知っ た原子力委員会は、圧力をかけてマラーの発表を行わせなかった。この例のように、 原子力委員会は微量放射線の影響をもとに放射線に安全線量は存在しないとする主張を徹底的に排除しようとした。

    国連科学委員会のアメリカ代表団には、代表のシールズ ・ ウォ レンの他に、ブルーズとアイゼンバッド (M.Eisenbud) が加わ った。すべ て原子力委員会を代表するメ ンバーであった。イギリスやカナダ の代表もアメリカと似たようなもので、放射線問題の専門家といえば、たいていが原子力委員会関係の人間であった。 スウェーデンもまた同様で、ICRP議長のシーべ ルトが代表であった。 またしても似たような顔ぶれが並んだ。

    国連科学委員会を構成したのは、それらアメリカ、イギリス、カナダ、スウェーデンの他に、 フランス、オーストラリア、べルギー、日本、そしてアルゼンチン、プラジル、メキシコ、インド、エジプト、さらにソ連とチェコスロヴァキアの一五ヵ国であった。 これらの国々の中で、 『BEAR報告』、『MRC報告』、 NCRP勧告やICRP勧告といった放射線問題での図抜けた経験とデータを持っていたのは、 最初の四ヵ国であった。ICRPを主導していたそれら四ヵ国が、 ソ連・社会主義国と開発途上国が加わった、いわばもう一つのICRPといえる国際科学委員会をリードすることになった。

    国連科学委員会は、一九五六年の三月に第一回の会議を開いたのを皮切りに、一九五八年六月までに計五回の会議を持って報告書の作成を進めた。 その間、ICRPの協力もなされた。そして国連科学委員会の報告書は一 九五八年八月六日、ICRP勧告は同九月と、 相前後して発表された。
    発表までの経過からも分かるように、 国連科学委員会報告には、 ICRP一九五八年勧告と多くの共通点があった。 国連科学委員会報告は、 一、 二の例外を 除くと、 『BEAR報告』、 『MRC報告』、 NCRP勧告の基本線を追認するものでしかなかった。

    国連科学委員会報告がそれら他の報告や勧告と一番異な っていた点は、同委員会の設立の要因となり、 当時の国際政治上の大問題であった核実験のフォールアウトについての政治的評価にあった。 その問題では、アメリカ、イギリス等とソ連、チェコスロヴァキアとの意見は真っ向から対立した。社会主義諸国は、 核実験の即時停止を盛り込むよう主張した。 被爆当事国日本からは都築正男や田島英三等が代表として参加したが、 なんと日本は核実験の即時停止に反対した。 結局、 核実験即時停止は、少数意見として葬り去られた。 そのようにして、 国連科学委員会報告の内容をめぐる争いは、アメリカとイギリスの共同戦線の、別の言い方をすればICRP主導国の勝利に終わった。
    ビキニの後、世界に広がった放射線被曝への不安と核実験反対運動の要求は、国際的な報告や勧告にはほとんど生かされず、ごく一部が盛り込まれるにとどまった。

    一九五八年の夏にICRP勧告と国連科学委員会報告が出そろい、放射線問題に関する国際的識論の大勢が固まった。まるでそれを待っていたかのように、他の国際組織も本格的に動きだした。
    一九五五年の原子力平和利用会議が母体となって生まれた原子力推進のための「国際原子力機関(IAEA)」 も、文字どおり推進の立場から放射線被曝基準の制定をめざして検討を開始 していた。それらの国際的協調の総仕上げとも言うべき集まりが、一九五八年八月末に密かにスイスで開催された。

    その会議は、ICRP議長のシーべ ルトの個人的な召集というかたちをとって、一九五八年の第二回原子力平和利用会議に参加する各国の代表を密かに呼び集めて開かれた。

    これには、 「国際放射線防護委員会 (ICRP)」、 「国際放射線単位委員会」、 「国際放射線会議」、 「国連科学委員会」、「国際原子力機関」、 「ユネスコ」、 「世界保健機関(WHO)」、 「国際労働機関 (ILO)」、 「食稲農業機構 (FAO)」、 「国際科学組合評議会 (ICSU」)、 「国際標準組織 (ISO)」 の六政府組織、五非政府組織が参加した。この会議では、(1)放射線の影響に関する基礎的研究、(2)放射線によるリスクの評価を含むデータの集積と評価、(3)上の二点を基礎とする放射線防護基準の確立、(4)実用的な規範の確立、(5)勧告の実施に向けた実務、を進めることで意志統一がはかられた。

    原子力平和利用会識に参集した国際諸組織が、 一方では原子力の推進をはかるための協識を行いながら、 他方では放射線被曝問題を議論するのであるから、放射線被曝の危険性が副次的なものとして扱われ、 軽視されることになるのは明らかである。 その方針で、ICRPの主導の下に協同して事にあたろうと誓いあったのである。 “赤信号、 みんなで渡れば恐くない” ということである。
    これはまさに、 原子力開発の推進を前提とした、 放射線被曝問題に関する国際的協調体制の構築であった。 一九五八年に築かれたこの協調体制は、その後も陰に陽に表われて、重要な政治的な役割を果たす。 放射線や原子力の問題を見る場合、決して見落としてはならない隠れた原子力推進体制なのである。
    (P81まで転載終わり)

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  4. 小林さんありがとうございます。引用も大事な部分をしていただきました!私もこの本、事故前から注目して読んでおり、まとめたものも、確か竹野内真理ファイルのどこかに入れたつもりです。卓越した本です。すべての権力側の学者に熟読してほしいと思います。

    ただ、小林さん、これらの権力側にいる学者には、こういうこともすべて知ったうえで、放射能安全論を説いている人が多くいます。山下俊一氏もその一例です(チェルノブイリで長年研究、小児甲状腺がんのリンパ転移のしやすさ、遺伝子レベルでもFOXE1という遺伝子が傷ついているのを知っているのに、敢えて福島では語らない。)

    また、このブログでもあります、東京保健医療大学のBuveryこと伴信彦教授についても、白血病の発症機序を遺伝子レベルと幹細胞レベルで知り抜いたうえで、エートスを推進し、安全論を掲げています。

    どうか、これら確信犯的御用学者がいることも知ってください。

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